【MVV×ビジョナリー・カンパニー】組織を“永続的に強くする”ために必要な共通軸とは?

経営支援

「MVV(Mission・Vision・Value)」という言葉は聞いたことがあるけれど、
実際に日々の経営やチーム運営に活かせている組織は、どれくらいあるでしょうか?

・理念なんて現場では使えない
・目の前の数字の方が大事
・スローガンを掲げても実態が伴わない

そんな声が聞こえてくる一方で、圧倒的に成長し続ける組織には、例外なくMVVが深く根付いているという事実があります。

今回は、名著『ビジョナリー・カンパニー(Jim Collins著)』の考え方を交えながら、MVVがなぜ重要なのか、そしてMVVを“飾り”で終わらせず、強くしなやかな組織をつくるためにどう活用すべきかを掘り下げていきます。

そもそもMVVとは何か?

MVVとは、以下の3つの要素から構成されます:

・Mission(使命):私たちはなぜ存在するのか?
Vision(未来像):私たちはどこを目指しているのか?
Value(価値観):私たちはどんな姿勢・行動指針を大切にするのか?

この3つが明確になっていることで、組織にとっての「共通言語」「判断基準」「存在意義」が整います。

“一貫性”こそがブランディングである

最近、とても腑に落ちたブランディングの定義があります。

ブランディングとは、社内外に一貫性を持たせること。
言っていることと、やっていることが一致している。
スタッフもお客様も「この会社ってこうだよね」と同じように感じられる状態。
この“ズレがないこと”が、信頼をつくる。

この“ズレをなくす力”こそが、MVVの最大の効果です。
MVVが明確に存在し、それが日々の言動にまで落とし込まれている組織は、社内外問わず一貫性のあるメッセージを発信でき、それが信頼となって積み重なっていきます。

『ビジョナリー・カンパニー』が教える「理念の力」

名著『ビジョナリー・カンパニー』では、“時代を超えて卓越する企業”には共通点があると述べられています。そのひとつが、

基本理念(Core Ideology)を持ち、それを守り抜く力

これはまさにMVVそのもの。ビジョナリー企業は、利益追求よりも先に、「なぜこの企業が存在するのか」「何を大事にしているのか」といった価値の中核を明文化し、それを軸に経営してきました。

ポイントは、「理念を掲げるだけでは意味がない」ということ。
実際にビジョナリー企業は、採用・教育・評価・意思決定のすべてにおいてこの理念を“使って”いるのです。

MVVは、日々の“迷い”を消してくれる

MVVが組織内にあると、どんな場面でも立ち戻れる「軸」ができます。

・儲かる話だけど、やるべきかどうか
・クレームが出た時、何を基準に判断するか
・経営判断で意見が割れた時、どう決着をつけるか

このとき「社長が正しい」でも「数字が出てるからOK」でもなく、
**“私たちのミッションやバリューに合っているかどうか”**という共通軸で判断できれば、誰もが納得感を持って前に進めます。

議論の場を“対立”から“対話”へ変える

MVVが組織にあることで、議論の質も変わります。

「そのやり方はおかしい」と言われると、どうしても感情的な摩擦が生まれますが、
「私たちのValueに照らすと、その行動はちょっとズレてるよね」と伝えられると、受け取り方がまったく違います。

これは単なる言い方の問題ではありません。**“指摘の根拠が個人の感覚ではなく、組織で共有された価値基準になっている”**という点が重要なのです。

こうした健全な対話ができる組織は、批判も改善も“建設的”になります。
まさに、ビジョナリー・カンパニーが大事にする「規律ある文化」です。

採用・評価・育成すべての“ものさし”になる

MVVは人材戦略にも直結します。

・採用:MVVに共感できる人材を選ぶ
・育成:Visionに向けた成長を促す
・評価:成果と同じくらい、Valueに沿った行動も重視する

たとえばAppleは、「Think Different」を行動指針にし、革新性を軸に人材を選び続けてきました。Googleも、「Don’t be evil」の精神を掲げ、価値観に従った意思決定を強く意識していました。

MVVを“採用ページだけの言葉”にせず、“毎日の行動”にまで落とし込むこと。
それが、本物の企業文化をつくるカギです。

社外にも“同じ印象”を持たれるようになる

MVVが社内に浸透し、社員の言動と一致していれば、自然と社外にも一貫した印象が伝わるようになります。

お客様は言葉だけでなく、「社員の態度」や「接し方」から企業の本質を感じ取ります。

だからこそ、「お客様と社員が、同じように“この会社ってこうだよね”と感じられる状態」をつくることが、最強のブランディングになります。

MVVがない組織にありがちな“ブレと疲弊”

一方で、MVVがない、あるいは形骸化している組織では、次のような問題が起きがちです。

・社員ごとに判断軸がバラバラ
・会議や議論が個人の好き嫌いになりがち
・顧客対応に一貫性がなく、信頼が築けない
・方針変更が場当たり的になり、現場が疲弊する

こうしたブレは、組織の“持続可能性”をむしばみます。
一時的な成長はあっても、ビジョナリー・カンパニーのように「時を超えて卓越する」企業にはなれません。

MVVは“掲げる”のではなく“使い倒す”もの

最後に、MVVを機能させる最大のコツをお伝えします。
それは、「MVVを“飾り”にせず、“使い倒す”こと」です。

・1on1や面談の評価指標に使う
・チームの目標設定の前提にする
・チャットで日常的にValueを口にする
・成功事例をMVVに紐づけて称賛する

このように、「使われているMVV」は、組織に根付きます。
逆に「理念研修のときだけ出てくるMVV」は、どれだけ良い言葉でも忘れ去られます。

結論:MVVは“永続する強い組織”の共通項

ビジョナリー・カンパニーの共通点は、「利益よりも先に“軸”を持っていること」。
そしてその軸とは、まさにMVVです。

MVVは、

・経営判断の基準になり、
・組織の一貫性をつくり、
・信頼を積み重ね、
・ブランドとなり、
・人が集まり、
・事業が永続する

という、すべての土台になります。

MVVがある組織は、“強い”のではなく“ブレない”から強くなれるのです。「理念はあるけど、あまり活用できていない」
「今の組織に、共通軸があるようでない気がする」
そう感じたら、今こそMVVを見直し、使い倒すチャンスです。

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