会社の成長を左右する「決算書の読み方」と次の一手

経営者である以上、会社の成長のためにも会社の数字を把握することは必須です。
「売上は順調なのに、なぜか資金繰りが厳しい」
「利益は出ているはずなのに、思ったほど会社にお金が残らない」
「このままの経営で、会社は本当に成長できるのか?」
こうした悩みを抱える経営者は少なくありません。年商1億円を超え、さらに次の成長フェーズに進むためには、決算書を正しく読み、意思決定の精度を上げることが不可欠です。
決算書が読めるようになれば、単なる数字の羅列ではなく、「会社の現状」と「今後の戦略」が明確に見えてきます。
この記事では、年商1億円以上の企業経営者が押さえておくべき決算書のポイントと、それを経営に活かす方法について解説します。
1. 決算書は「経営の羅針盤」
決算書は、会社の健康状態を示す「経営の羅針盤」です。読めるようになることで、次に何をすべきかの判断が格段にしやすくなります。
決算書には主に以下の3つの書類が含まれます。
1.損益計算書(PL:Profit and Loss Statement)
→ 会社がどれだけ儲かっているかを示す。
・売上、経費、利益がどう動いているかを把握する。
2.貸借対照表(BS:Balance Sheet)
→ 会社の財務体質を示す。
・資産(現金・売掛金・設備)と負債(借入・支払義務)のバランスを確認し、財務の健全性を判断する。
3.キャッシュフロー計算書(CF:Cash Flow Statement)
→ お金の流れを明確にする。
・「利益が出ているのに資金繰りが苦しい」といった状況の原因を特定できる。
この3つの書類をセットで理解することで、会社の「本当の状態」を正しく把握できます。
2. 数字を見れば「次の一手」が決まる
① 利益が出ているのに、資金繰りが厳しい
原因を探るポイント
・売掛金の回収期間が長くなっていないか?(回収サイトの見直しが必要)
・過剰な設備投資をしていないか?(投資判断の見直しが必要)
・借入金の返済負担が大きすぎないか?(資金調達の再検討が必要)
→ 対応策:売掛金の早期回収や借入リスケを検討
売上は伸びていても、売掛金の回収が遅れていると資金繰りが悪化します。回収サイトの短縮や支払い条件の見直しをすることで、資金繰りが改善します。また、過剰な設備投資が原因であれば、投資判断をより慎重に行うことが重要です。
② 売上は伸びているのに、利益が増えない
原因を探るポイント
・原価率が上がっていないか?(仕入れや外注費の見直し)
・販管費が増えすぎていないか?(広告費や人件費の最適化)
・値引きが多すぎないか?(利益率を意識した価格設定)
→ 対応策:利益率を意識した価格戦略やコスト削減を実施
売上が上がっているのに利益が増えない場合、コスト構造を見直す必要があります。仕入れ価格の交渉や外注費の見直し、値引きの適正化を行うことで、利益率を改善できます。
③ 借入依存度が高く、財務が不安定
原因を探るポイント
・自己資本比率は低くないか?(財務の安定性を確認)
・短期借入金の割合が多すぎないか?(返済負担の見直しが必要)
・固定費の負担が重すぎないか?(利益に対する固定費の比率を確認)
→ 対応策:内部留保の強化や資金調達の再設計
借入に頼った経営をしていると、金利上昇や業績の変動によって資金繰りが悪化するリスクがあります。長期的な成長のためには、利益の内部留保を増やし、自己資本を厚くすることが重要です。
3. 決算書を経営に活かすための「3つのアクション」
① KPIを設定し、毎月数字をチェックする
決算書は年に1回のものですが、それでは意思決定のスピードが遅くなります。月次の財務データを活用し、KPI(重要指標)をチェックすることで、早めに手を打てます。
✅ 毎月チェックすべきKPI
・売上総利益率(粗利率) → 価格戦略や原価管理の指標
・営業利益率 → 会社の本業の収益性を測る指標
・売掛金回収期間 → 資金繰りの指標
・キャッシュフローの推移 → 現金の増減を把握する
② 財務戦略を見直す
・売上が上がったら固定費を増やすのではなく、利益を確保する
・短期借入に頼りすぎず、長期の視点で資金調達を考える
・不要な経費を定期的に見直し、利益体質を作る
③ 税理士や財務の専門家と定期的に会話する
決算書は一度読んで終わりではありません。定期的に税理士や財務の専門家と話し、自社の数字を深掘りすることで、より適切な経営判断ができます。
4. まとめ
決算書を読めるようになれば、経営の「次の一手」が明確になります。
✔ 決算書は経営の羅針盤。PL・BS・CFの3つを押さえる
✔ 利益の構造、資金繰り、財務体質をチェックする
✔ 毎月のKPIを設定し、意思決定の精度を上げる
年商1億円を超え、さらなる成長を目指すなら、「数字を経営の武器にする」ことが不可欠です。決算書を活用し、経営の精度を上げていきましょう。